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2018-09-05

Thunderbird 60 で動くお薦め add-on

Thunderbird がメジャーバージョンアップしてついに v60 になった。 このバージョンで旧来の add-on の仕組みが廃止されたため、動かなくなった add-on が多々ある。 Firefox では一足先に経験済みの話だが、 Web ブラウザと違ってメールの場合は使用頻度も多く、 add-on が動かないと使い勝手が格段に落ちて困ってしまう。 ここでは、 v60 でも動く Thunderbird add-on で常用しているものを紹介しよう。

なお、私個人の PC 環境は Debian stretch のため、実はまだ 52.9.1 のままだ。 以下は仕事で使っている Windows PC での話として見て欲しい。

Debian stretch の Thunderbird も v60 になりました。

Quick Folder Move

仕事では大量のメールを扱うため、多数のフォルダに分類している。 来たメールをマニュアルで移動する際、ドラッグ&ドロップでもできるが、まだるっこしい上に誤操作で隣のフォルダに放り込んでしまうことも多々ある。 この add-on はキーボード操作でメールを目的のフォルダへ移動させるものだ。

以前の Thunderbird なら Nostalgy という add-on を使っていたが、それの代わりとなりうる。
余談だが、この Nostalgy というネーミングは DOS 時代の操作性を好むオッサン向けのもの…という意図(照れ隠し?)が込められている気がする。 でも、スマホ世代はマウスに慣れていないから逆に使いやすいと感じるかも…。
未だに Nostalgy ファンは多いようで、 Quick Folder Move が出てからも Nostalgy のエンハンスを渇望している者は多いようだ。 私自身は Nostalgy の UI には限界を感じていたので、ちょうどいい切り替えタイミングだと感じた。

LookOut (fix version)

Outlook 等の Windows のメーラー特有の添付ファイル形式として TNEF というものがある。 メール内容を Winmail.dat という添付ファイルとしてカプセル化してしまうものだ。 まさに Microsoft の独自(囲い込み)路線を象徴するもので、本来なら「相手に伝える」という役割のメールのはずだが、 Microsoft のメーラー以外で受け取ると謎のファイルが添付された中身のないメールに見えてしまう。 送った当人には非はなくても、受け取った側には何も伝わらず、下手すれば SPAM 扱いにも…

Thunderbird でこの TNEF 形式のメールを読めるようにしたものが LookOut だが、既に開発が止まっている。 これを別の作者が v60 以降にも対応させたものが LookOut (fix version) だ。 最近は Microsoft も他との互換をもたせる方向に移ってきているが、未だ TNEF 形式で送ってくる輩も多く、保険としてインストールしておくことをお薦めする。

LookOut 自体の説明は既に他の方々がいろいろ書いているので、そちらを参照願いたい。 使い勝手もほとんど変わらない。

【追記】 v78 で一時動かなくなっていたがその後対応された。

TbSync

実は、仕事環境での標準メールソフトは Outlook が指定されている。 もちろん (?) メールサーバーは Exchange だ。 幸いにして IMAP のインタフェースも有効になっているため、私は未だに Thunderbird を併用している(…というよりも、主に Thunderbird を使用している)。 メールのやり取りはこれで済むが、 Exchange / Outlook のもう一つの主要機能であるカレンダーは IMAP では扱えない。

この Exchange のカレンダーを扱えるようにしたものが ExchangeCalendar だ。 以前の Thunderbird では私もこれを使用していた。 ただし、この add-on はベースが古く、 Thunderbird のマイナーバージョンアップ (標準で入っている Lightning のちょっとの変更) で動かなくなるなど、かなり無理を重ねてきたようだ。 オリジナルの作者は既に開発を停止しており、別の開発者が引き継いでいるが、 v60 で使えるようにするのは大変らしい。

そんなところに現れたニューフェースが TbSync だ。 ExchangeCalendar は EWS というインタフェースで Exchange とやり取りするのに対し、この TbSync は Active Sync という別のインタフェースでやり取りする。 インタフェースが異なるため、完全に ExchangeCalendar に取って代わるものにはならないが、幸いにして私の環境では Active Sync インタフェースが有効になっているため、問題なく使えている。

TbSync は新しいだけあって、良い面もあるが、まだこなれていない部分もある。 プッシュ型での同期はサポートされておらず定期的なポーリングが必要な点、一度セットアップしたアカウント情報の修正ができない点、設定画面に移るインタフェースが標準的な add-on と異なり直感的でない点、などなど。 それでも、 Exchange 環境下で使うには必須と言ってもいい add-on だろう。

その他

以前からある add-on がバージョンアップして v60 でも使えるようになっている有用なもの等を列挙しておく。 この辺りの解説は色々出ているので、詳しくはそちらを参照願いたい。

未だ v60 以降で動くものを見つけられない add-on

  • Manually sort folders
    v60 にもインストールでき、一見動くようにも見えるが、実際には全く動かない
  • Display Mail User Agent
  • Ruler Bar
    とっくの昔に開発が停止していたが、サポート Thunderbird バージョンを書き換えれば v52 まで動いていた add-on。 昨今は HTML メール全盛で、等幅フォントのテキストメールでカラム幅を気にしなければいけない場面も減ってきているので、もはや消え行く運命か…。
    • 【11/19 追記】
      不完全ながら v60 に対応したようです。コメントしてくださった方に感謝。
    • 【追記】
      v68 で動かなくなったようです。
  • clamdrib LIN
    これだけは仕事用 PC ではなく、個人 PC の Linux で使うためのもの。 添付ファイルのマルウェアチェックができるようないいものはないだろうか…。

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コメント

Manually sort folders について、


https://github.com/Ximi1970/Manually-So ... v1.2.0pre2    の

アドオンの URL が「公式」ページにないので、


.xpi のリンクを右クリックし、
名前を付けて保存...
または
名前を付けてリンク先を保存...
を選択します。(元と違う名前で保存  例:"xxxx.xpi")
すると、ファイルをダウンロードして保存するよう促されます。ほとんどのブラウザーには
既定の
ダウンロード場所があります。ダウンロード先を書き留めてください。アドオンファイルには、"xxxx.xpi" のような無意味な名前が付いており、あとで見つける手助けとなりません。
Thunderbird で、アドオンマネージャータブを開きます。検索ボックスの左側にボタンがあります。

歯車アイコンをクリックし、表示されたメニューから
ファイルからアドオンをインストール...
を選択します。

ファイル選択画面使用して XPI ファイルを保存した場所に移動し、そのファイルを選択してインストールを完了します。

https://github.com/Ximi1970/Manually-Sort-Folders/releases
ですね。
確認してみます。

ありがとうございました。無事 Manually sort folders が使えるようになりました。
※ pre3 を使っています。

無事、使えて良かったです。私もついでに、pre3に。

ルーラーバー、10月31日にバージョンアップされて60対応になったようですよ。
ちょっとビックリ。

情報ありがとうございます。
遅ればせながら Ruler Bar を再びインストールしてみました。

動きました…が、ちょっと微妙…

設定画面がまともに表示されないようです。
それらしき文字は横一列に表示されるのですが、そのウィンドウが描画されていないため閉じることすら出来ず、サインアウトするしかなくなります。

編集画面でも Ruler とフォントの幅が合っていないようです。
自宅の Linux の Thunderbird (v60.3.0) では正常な幅なので、なんかの設定のせいかもしれません。
これはフォント設定か、高 DPI 設定 (1.5 倍表示) か…。

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